KaggleのZillow Prizeは,Zillowが2017年5月に開始したコンペティション.課題は不動産価格の予測であり,賞金は総額1億円以上($1,200,000).

誤訳があるかもしれないのでご注意.

1. 背景

1.a Kaggle

Kaggleは,データサイエンティストのプラットフォームである.様々なコンペティションを開催しており,データサイエンティストの腕試しの場として広く認知されている.Kaggleへの参加方法については,Kaggle事始めが詳しい.

1.b Zillow

Zillowは,オンライン不動産データベースを運営するアメリカの企業である.アメリカ全土の1億件以上の物件情報を有し,Zestimateと呼ばれる価格見積もりサービスを持つ.

2. Zillow Prize

2.a 概要

Zillow Prizeは,Zillowが2017年5月に開始したコンペティションである.課題は不動産価格の予測で,賞金は総額1億円以上($1,200,000).本コンペティションは,Qualifying round(第1ラウンド)とPrivate round(第2ラウンド)からなる.Private roundは,Qualifying roundの上位100チームのみに対し2018年1月1日から実施される.

DataRules等の詳細は以下.

2.b Data

本コンペティションの目的は,Zestimate(\(z\))と実際の売値(\(s\))の対数誤差を予測すること.対数誤差は以下で定義される.

\[\begin{align*} logerror = log(z) - log(s) \tag{1} \end{align*}\]

具体的には,2017年秋における\(logerror\)を予測する.不動産価格は公開情報なので,取引が始まる前に,モデルの提出を打ち切る.

訓練データとして,2016年の三箇所(Los Angeles,Orange and Ventura,California)の全ての不動産データが提供される.訓練データは2016年10月15日以前の全ての取引と,それ以降のいくつかの取引を含む.public leaderboardのテストデータは,2016年10月15日から同年12月31日までのものである.private leader boardのテストデータは,2017年10月15日から同年12月15日まで(この期間をsales tracking periodと呼ぶ)のものである.つまり,参加者は次の6時点における全ての不動産に対して予測を行う必要がある.

  • October 2016 (201610)
  • November 2016 (201611)
  • December 2016 (201612)
  • October 2017 (201710)
  • November 2017 (201711)
  • December 2017 (201712)

当該期間において取引が行われなかった不動産は,scoreの計算に利用されない.31日間のうち,複数回の取引があった場合は,最初の適切な取引をscoreの計算に用いる.

以下は各ファイルの概要.

  • properties_2016.csv:2016年の全ての不動産情報.
  • properties_2017.csv:2017年の全ての不動産情報.2017年10月2日に公開予定.
  • train_2016.csv:2016年1月1日から2016年12月31日までの取引情報.
  • train_2017.csv:2017年1月1日から2017年9月15日までの取引情報.2017年10月2日に公開予定.
  • sample_submission.csv:提出用のサンプルファイル.

2.c Rules

重要そうなものだけ抜粋.

  • チーム外に,コードを共有してはならない.ただし,全参加者に共有するのはOK.
  • 1チーム最大3人まで.
  • 1日5回まで提出可能.最終的に,最大2つの予測結果を投稿可能.
  • 賞金総額:$1,200,000
    • 第1ラウンド総額:$50,000
      • 1位:$25,000
      • 2位:$15,000
      • 3位:$10,000
    • 第2ラウンド総額:$1,150,000
      • 1位:$1,000,000
      • 2位:$100,000
      • 3位:$50,000
  • 第1ラウンドでは,Kernel上でのみ,ソースコードを公開できる1.これは,MITライセンスのもとでの譲渡とみなされる.
  • 第2ラウンドでは,いかなる形でもソースコードを公開できない

参考

  1. ここで検討過程を公開しようと思っていたが,どうやらルール違反っぽい.一旦Kernelで公開したものを,日本語訳して自分のサイトで公開するのはOKか?