武井由紀子,三木順哉,ユーザ中心ウェブビジネス戦略を読んだ.インターネットはユーザが能動的に情報を取捨選択可能なメディアであるため,ウェブビジネスにおいては,ターゲットユーザを徹底的に理解する必要がある.ユーザ理解のためのツールとして,ユーザ行動パターン検証ツール(アクセスログ解析等)と,ユーザ行動理由検証ツール(ユーザ行動観察調査等)がある.両者の特徴を理解して,使い分けることが重要である.

  • p.10:いかなる製品やサービスも,まずは事業の目的や市場,ターゲット顧客,収益性といった観点から検討が始まる.
  • p.12:本書は二部構成.一部は理論編,二部は実践編.二部は主にウェブマスター向けの話なので,一部を中心に読む.
  • p.19:ウェブビジネス成功事例の共通点として,下記4点があるが,もっとも重要なのは1である:
    1. サイトの顧客(ユーザ)を徹底的に知っている.
    2. ユーザを知った上でサイト上でのコミュニケーションを設計している.
    3. 事前に仮説検証をしている.
    4. 事後に仮説検証をしている.
  • p.25:インターネットによりメディアの民主化が起こった.企業から発信される情報の信頼性が低下する一方で,個人から発信される情報の信頼性が増大した.
  • p.32:論理武装した消費者に対応するためには,ユーザの期待に応えているか,が最も重要.
  • p.37:ユーザ利用時のインターネットの特性として,以下の5つがある:前のめり,斜め読み,新鮮,遠慮不要,比較可能.
  • p.45:ユーザ中心設計のプロセス:サイトの目的と目標,ターゲットユーザ,コミュニケーションシナリオ,ユーザ視点の検証作業.
  • p.51:ウォーターフォール型ではなく,スパイラル型でサイト設計を行う.
  • p.55:ユーザの過去の経験やサイト内外での体験まで想定して,コミュニケーションシナリオを構築する.
  • p.65:ウェブサイトによるプロモーションと相性が良いのは,比較に耐えるサービスか,そもそも比較できないサービス.
  • p.81:ユーザ行動パターン検証ツールと,ユーザ行動理由検証ツールを使い分ける必要がある.前者は,例えばアクセスログ解析.後者は,例えばユーザ行動観察調査.
  • p.85:ユーザの意見ではなく,行動を重視する.往々にして,ユーザの意見は正確でない.