Courcera,Marketing in a digital world:2. Promotion
Courcera,Marketing in a digital worldの受講メモ.本講座は,イリノイ大学主催のオンライン講座であり,全7講座から成るDigital marketing specializationの一つ.四週かけて,デジタル時代のマーケティング・ミックスについて学ぶ.第二週では,Promotionを取り扱い,AuthenticityやUser generated contentについて学ぶ.
本講座に関する記事:
- Courcera,Marketing in a digital world:1. Product
- Courcera,Marketing in a digital world:2. Promotion
- Courcera, Marketing in a digital world:3. Placement
- Courcera, Marketing in a digital world:4. Price
- CourceraのDigital marketing講座を退会した
Module 2 overview
- 第二週では,新技術によって,消費者が市場でどのように能動的な役割を演じるようになったかを学ぶ.以下は事前に読んでおくべき記事.
- Edelman, D. C. (2010). Branding in the digital age: You’re spending your money in all the wrong places. Harvard Business Review, 88(12), 62–69.
- 消費者とブランドの接点のあり方は,大きく様変わりしてしまった.消費者が購入ブランドを段階的に狭めていくという仮定に基づいた,AIDMA理論は,必ずしも適用できない場合がある.
- 2009年にDavid Courtらは,Consumer decision journey (CDJ)モデルを提案した.本モデルでは,消費者は購入ブランドを単調に狭めずに,かつ各段階を反復的に移行する.本モデルでは,Consider,Evaluate,Buy,そしてEnjoy-advocate-bondの四つの段階を定義する.特に最後の段階は,従来のモデルでカバーできない接点である.実際,化粧品を購入した消費者のうち60%は,購入後に ネットで肯定的な意見を検索する.ブランドと強固な繋がりを確立した消費者は,Enjoy-advocate-buyループに入る.
- CDJモデルを考慮したマーケティングを実施する上で,課題が二つある.
- ターゲットとする段階と,その効果のミスマッチ.従来のプロモーションでは,70%から90%の予算を,ConsiderおよびBuy段階の消費者を対象に使用してきた.しかし実際には,Enjoy-advocate-bond段階の消費者こそ注力すべきターゲットである.
- 予算のミスマッチ.従来のプロモーションでは,マスメディアでの大規模宣伝のための固定費がかさんでいる.マーケターは,自社メディアか,個人ブログ等に注力すべきである.
- CDJモデルを考慮したマーケティングの実施には,次の三ステップがある.(1)消費者の決定経路(Decision journey)を理解する,(2)優先度の高い接点を定める,(3)予算を組む.
- 消費者の考慮集合は非常に柔軟であることがわかった.また,Evaluate段階では,Google等の検索エンジンではなく,Amazon.com等のECサイトや他の価格比較サイトを利用することがわかった.一方で,10%以下の消費者しか,当該ブランドのホームページを閲覧しないことがわかった.またオンライン広告は,ディスカウントがある場合を除き,消費者のブランド選択に大きな影響を与えない可能性があることがわかった.
- 今マーケティングに求められているのは,次の三つの役割だ.消費者との数多くの接点の総合管理,コンテンツの総合管理,そしてデータの総合管理.
- 所感としては,やはりユーザのレビューを如何に効率よく収集し,分析するかが重要な気がする.SNSのスクレイピングについて,さわりだけでも勉強した方が良いかもしれない.
- Coca-Cola advertising page [Websites]. (n.d.).
- コカ・コーラの広告の歴史がまとめられている.
- Marrs, M. (2014, April 28). UGC 101: Guide to user-generated content marketing. WordStream.
- User generated content(UGC)とは,ユーザによって作成されたウェブ上のあらゆるコンテンツを指す.例えば,ブログのコメント,facebookのコメントや記事,レビュー,ビデオ作品,ブログ記事,Forum,Podcastなど.
- UGCの中でも人気なのは,企業とユーザのコラボレーション作品.例えば,Jib JabのElf Yourselfキャンペーンなど.
- 多くの企業は,SNSでファンアートを公開することで,UGCの効果を高めている.例えば,ドミノ・ピザ,M&Ms,スターバックス,GoProなど.
- UGCを探せるのは,Devianart,Flickr,Raddit,Facebook,Twitter,YouTube,Pinterest,Instagram,Amazonのレビューなど.
- あなたのブランドに関連したUGCが見つからない場合は,業界に関連するものを探すと良い.
- Crowdtapの調査によると,Millennial(2000年前後に生まれた世代)は,UGCを広告より重視することがわかった.
- Parkin, L. (2013, August 29). What every business should know about user-generated content. Huff Post Business.
- UGCによって得られるのは,次の二つ.(1)さらなるファン参加を加速する無料のコンテンツ,(2)ファンの心理や行動に関する,非常に価値のある知見.
- より良いUGC創作を喚起するために,次の四点に気をつけるべき.(1)UGCを募集する理由を明確化する.(2)適切なインセンティブを設定する.(3)ハッシュタグやコミュニティなどを利用して,効率的に作品を管理する.(4)実際に使う.
- Roesler, P. (2016, May 2). Is Your Brand Authentic When Marketing Online? Inc.
- 信憑性こそ,デジタルマーケティングで重要な要素の一つであることが,Chon & Wolfeの調査で明らかになった.
- 信憑性は,高品質の製品と,顧客とのオープンな接触によって生成される.
- Pareto principle. (n.d.) In Wikipedia.
- いわゆる80:20の法則.経済において,全体の数値の大部分は,全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論.
- Williams, D. (2016, May 13). The History of Augmented Reality (Infographic). The Huffington Post.
- Augmented reality(AR)およびVirtual reality(VR)の歴史.
Basic concept: promotion
- Promotionとは,製品の情報を消費者に知らせるための活動を指す.Promotionの目的は,消費者に製品を購入してもらうことである.
- Promotionにおける重要な概念として,次の二つがある:
- Advertising:毎年,莫大な費用がテレビ広告のために費やされている.広告のターゲットは,消費者,小売業者等のパートナー,そして従業員.広告の目的は,新製品の告知や,既存製品のイメージ変更など.
- Persuasion:他社の製品ではなく,自社製品を買わせるための取り組み.Persuasionの手法としては,セレブの起用,ユーモア,科学的裏付けなどがある.
- Elaboration Likelihood Model (ELM)(日本語では,「精密化見込みモデル」らしい)は,Persuasionの代表的なモデルである.このモデルでは,購入を誘導する方法を二つ提案している.
- Central route:製品に備わっている本質的な価値や,特徴,特性等によって説得する方法.
- Peripheral route:感情や雰囲気など,数値化出来ない情報によって説得する方法.
- かつてのPromotionは,消費者を説得するための作り物のメッセージが有効だった.今では,消費者にストーリーを共有するための信憑性のあるメッセージが有効である.
- 今やアメリカでは,テレビ向け広告費より,インターネット向け広告費の方が大きい.
Digital concept: authenticity
- インターネットが発達した現代においては,虚偽(誇張)広告はすぐに暴かれ,企業は甚大な被害を被る.企業は,企業自身やその製品について,ありのままの情報を伝える姿勢を持つべきである.
- Digital authenticityとは,Online promotionにおいて,製品の情報(生産地,特徴,長所,短所)がどの程度偽りなく記述されているか,という基準.
- Authenticityを獲得するためには:
- 製品の長所を一方的に主張するのではなく,製品の背後の物語を語ること.
- 物語に一貫性を持たせること.
- 過ちを直ちに認めること.
- 消費者を巻き込むこと.
- Authenticityの獲得プロセスにおいて,消費者は広告塔や,広告製作者になりうる.
- Authenticityを獲得するメリットは:
- Doppelgänger brand imageを回避できること.
- SNS等で肯定的な評判を得ること.
- 消費者の意思決定に良い影響を与えること.ある調査によると,60%の消費者はAuthenticityをブランド選択の基準にしている.
- 2015年の論文によると,消費者がInauthenticを感じる原因は,模倣とミスマッチの二つ.
Case study: pepsi refresh
- Pepsi Refresh Projectについて議論する.
- Digital marketing promotional campaignを評価する基準として,何が適切か?
- Pepsi Refresh Projectは成功したか?
- Pepsiは,本プロジェクトに対して何を行うべきか?
- Jennfer, P. (2011, Jan. 30). Pepsi Bets on Local Grants, Not the Super Bowl. The New York Times
- Pepsiは,昨年のスーパーボールのスポンサーを降り,代わりにPepsi Refresh Projectを実行した.
- ユーザから投稿された世の中を良くするためのアイデアに対し,毎月130万ドルを提供するというもの.
- PepsiのSNS担当者によると,本プロジェクトで最も重要な点は,長期的なPepsiコミュニティを構築できること.
- 2011年の調査によると,79%の企業がSNSを用いたPromotionを準備している.一方で,他のチャネルとどのように組み合わせればよいか,またどのように効果を評価すればよいか,悩んでいると答えた.三分の一近くの企業は,効果を測定していなかった.25%以上の企業は,分析ツールを利用していた.
- Pepsiは様々なツールを用いて本プロジェクトを評価したが,目立った効果はまだ確認できていない.Pepsiの売上は6%落ちた.
- このケーススタディから得られた知見は以下:
- 売上が最も重要な評価指標である.
- SNSの指標は,売上と必ずしも一致しない.
- SNSを用いたPromotionキャンペーンでは,特にAuthenticityが重要になる.
Digital concept: user generated content
- User generated content(UGC)とは,ユーザによって作成されたウェブ上のあらゆるコンテンツを指す.例えば,ブログのコメント,facebookのコメントや記事,レビュー,ビデオ作品,ブログ記事,Forum,Podcastなど.例えば,Twiiterのつぶやきの内,約20%がブランドに関連するものと言われている.
- UGCの特徴は以下の三点:
- 企業よりユーザの貢献度が大きいものである.
- クリエイティブである.
- オンラインに投稿される.
- UGCの動機は,自己承認あるいはインセンティブである.
- UGCのメリットは,低コストで作成できること,売上に良い影響を与えること,そして,コンテンツの鮮度を保てること.
- Smith et al. (2012) “How does Brand-related user-generated content differ across YouTube, Facebook, and Twitter?”. Journal of Interactive Marketing.
- SNS上のUGCは,肯定的なものが圧倒的に多い.
- Twitterでアクティブな企業は,肯定的なUGCを作成されやすい.
- UGCと上手に付き合うために重要なことは:
- ユーザにアイデアの共有を依頼すること.競合ブランドより自社ブランドに注目が集まるよう誘導するために,ユーザと対話する必要がある.対話のキッカケは,アイデア共有の依頼で良い.
- ユーザの貢献に対し,真摯に反応すること.
- Pareto principleを覚えておくこと.90%のUGCは,10%のユーザによって作成される.
- 他のPromotion手法と連動させること.
Exercise: wikipedia.org
- Wikipediaの編集に参加して,UGCを体感する.
Campas spotlight: Alan Craig
- Alan Craig先生は,VRおよびARの第一人者.
- VRでは,ユーザは現実世界を離れて仮想世界に入り込む.一方でARでは,ユーザの現実世界と仮想世界が融合する.また,VRは一時的な体験に終わる可能性があるが,ARは24時間365日継続する体験となる可能性がある.
- Alan Craig先生のところに,いろんな会社からARを使ったPromotionについてオファーがある.
- 現時点で,現実世界とARの識別が難しい段階に突入している.
英語メモ
- pare down:…を削減する.
- reel:糸巻きに巻く,操る.
- dissipate:散らす;散逸する.
- promiscuous:乱雑な.
- myriad:無数.
- assail:激しく攻撃する,猛攻する.
- advocate:提唱する,主張する.
- invigorating:激励の,元気づける.
- malleable:柔軟な,順応性のある.
- conspicuously:著しく,目立って.
- deliberate:故意の,計画的な,慎重な,思慮のある.
- eloquent:雄弁な,人を動かす力のある.
- testimonial:証明書,感謝状,功労表彰の贈り物.
- authenticity:信頼性,確実性,信憑性.
- realm:領域,範囲,部門.
- cynicism:冷笑,皮肉.
- irrevocably:取り消しできないやり方で.
- elaboration:入念な仕上げ,精巧さ.
- narrate:物語る,話す.
- substantial:実在する,本当の,頑丈な,しっかりとした,相当な.
- genuine:正真正銘の,本物の,偽りのない.
- portrayal:描写,記述,演技.
- plow:耕す,掘り起こす;(…を)骨折って進む.
- philanthropy:慈善行為.
- intrusion:侵入,押し付け.
Subscribe via RSS